
に帰ってこういう練習をやるように指示を出しています。また、柔道経験のない先生が引率して来られた場合は、助言させて頂いております。それから、未経験の先生の場合は、審判の関係があり、どうしても練習試合等に臆病になるということがあると思います。中体連柔道専門部は、そういう先生の受け皿として、組織を活用して頂けるように思います。審判部・記録部・強化部・研究部と分化し、例えば審判に関しての疑問は、審判部の先生に質問できる、あるいは審判講習会で審判技術を習得することができ、練習試合から審判の基礎をつけてくださいというようなことをお願いする。また、過去の記録やデータというのは、記録部で知ることができる。強化部というのは、先に話しましたように年間4〜5日間、夏・春にある強化練習を見に来て、勉強していただこうということで頑張っております。ただ、本県は山間部から平野部へ交通の便が悪く、山間部で柔道を担当されている先生には条件的に難しい面もありますが、やる気を起こしていただいたときには、何とかできる受け皿はできるようになっています。以上でよろしいでしょうか。 司会者 全国からお来し頂いたので、できるだけ交流の場にしたいと思います。各府県の実態や実情をお話頂き、できるだけ多くの方に意見を求めたいとおもいます。 兵庫県 奈良県の池辺先生にご質問したいと思います。奈良県は関西の柔道のリーダー的存在で今日の発表は大変勉強にさせていただきました。先生は一番最後のまとめと課題というところで、柔道はゲーム的要素の少ないスポーツであるとあります。現在武道学会等で、柔道はスポーツであるか武道であるか論議されています。スポーツは西洋を中心に発達し現在まで広がってきている。武道は日本を中心に戦国時代の武術から始まって殺しあいの技法として生まれた。その点で先生は、柔道をどのようにスポーツとして捉えてられてるのか、指導要領も格技から武道に名称の変更をされている。その点先生のお考えを、お聞かせ願えたらと思います。 もうひとつは、図1(紀要62頁)を見まして、柔道が好きというのは、「非常に好き」もしくは「好き」というのが合わせて15%ですね。[嫌い」が63%で、図11卒業後やってみたいと「思う」が16%、「思わない」が70%、こういった現状の中、部活動に加入するのが、本来柔道が好きで入ってきた人間が、調査の結果、こういう結果になっているのは、指導者や指導的な面でもともと好きな者が嫌いになっていったのか。もしくは、ある考え方をすると、奈良は高校が強いですから、これから続けて行っても見通しがつかないということで、意識が薄らいでいくのか。そういったことをどういうふうに捉えていったらいいか。そういった問題を解決するためには、生徒だけじゃなくて、やはり指導者の意識をつかむ必要があるのではないかと思うのですがどうでしょう。 池辺先生 先に柔道は、武道であるかスポーツであるかというのをお聞きになっていると思うのですが、武道色というのをあまり感じていない生徒が多いと思います。実はこのアンケートをとるときに、例えば「礼儀」に関するアンケートもとりました。礼儀に関しては「礼儀正しくなりましたか」という質問に対しては、「あまりならない」と回答した人が多かったんです。悲しいかな、今の柔道部の活動においてあまり礼儀が重んじられていないと思います。それから、先程申しましたように、既成の練習をやっていたら、最近の子どもは食い付きが悪いじゃないかということもあります。ですけども、柔道はもともと武道で、先程東京の先生もおしゃったように、文武両道という言葉もありましたが、良い面はたくさん残っていると思います。だから、導入の段階では、スポーツから入ってもいいと思いますが、最終目標は精神的あるいは礼行も含めて武道に到達できたらと思います。その到達目標を指導者はどのように設定するかということを、考えてやる必要があると思います。本校においても、1年に1・2回ですが、嘉納治五郎先生の教えである「精力善用・自他共栄」ということを教えております。この4文字・4文字の言葉にはどんな思いが込められているのかということを教えています。ただそういうことを話しましても、日々の活動の中で武道色がだんだん薄れていくなか、審判規定そのものが、だんだ
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